猫の尿結石
運動量・飲水量が減ることで起こりやすくなる尿石症。
寒い季節に多い病気なのですが、季節を問わず出る事も珍しくありません。
尿石症についてご紹介いたします。
どんな症状が起きるのか?
・何回もトイレに行くのに、おしっこがあまり出ていない。
・おしっこが赤色になっている。
・おしっこにキラキラ光るもの(結晶)が混ざっている。
このような症状がないでしょうか? メスより、オスの方が、尿道が細く長く出来ています。
その為、尿石ができると尿道に尿石がつまりやすく、おしっこが出なくなる事があります。
これを尿道閉塞といいます。24〜36時間そのままにしていると、急性腎不全や尿毒症を起こし、危険な状態になることもあります。
尿石ができる原因
尿石ができる原因はよくわからないことも多いのですが、 食事内容・肥満・飲水量不足・運動不足などの生活習慣や、体質・膀胱炎なども考えられます。
診断・治療法
尿検査・レントゲン検査・超音波検査・血液検査などにより、尿石の種類・大きさ・量や、尿路の炎症程度、尿毒症の有無などを診断します。 膀胱に尿石が多量に貯まっている場合→手術により膀胱を切開し、尿石を取り除きます。 尿道閉塞を起こしている場合→尿道にカテーテルを入れ閉塞を解除します。重度の場合は手術が必要になります。 尿石は少量あるが排尿可能な場合→食事療法(療法食)により尿石を溶かしますが(ストルバイト尿石など)、 溶けない種類の尿石(シュウ酸カルシウム尿石など)は症状により手術が必要になります。療法食は、飲水量の増加、尿の酸性化、 尿石の成分であるミネラルの制限など工夫がされています。
予防法
・適切な食事管理
マグネシウムやカルシウムなどのミネラルを制限された食事を与えましょう。
・十分な水分量
水分の摂取量が少ないと尿の量が減り、濃縮され結晶ができやすくなります。
・トイレを清潔に
猫ちゃんはトイレが汚いと排尿を我慢する傾向にある為、トイレは常に清潔に。
・肥満にさせない
実は大きな原因です。適度な運動は、尿を酸性化したり、飲水量を増加させて、尿石をできにくくします。
クレッセ動物病院 院長 西山 寛