恐ろしいノミ・マダニの真実
ノミ・マダニ。みなさんはどのような生き物なのかご存じですか?知っているようで詳しくは知られていない、恐ろしいノミ・マダニの真実についてご紹介いたします!
ノミってなぁに? どんな悪いことをするの?
羽のない昆虫で、動物の毛をかきわけ早く動けるように、縦に平べったい形をしています。一度の吸血量は、体重の約15倍にもなります(約70匹のノミで一日に1cc吸血)。犬猫に寄生するノミのほとんどはネコノミとよばれる種類で、ヒトにも寄生します。 ノミは、吸血時に血が固まらないように、皮膚に唾液を入れて吸血します。この唾液成分の、ヒスタミンやタンパク質が、ノミアレルギー性皮膚炎を発症する場合があり、激しい痒みを引き起こします。さらに、全身性なアレルギー反応を起こし、頻脈、呼吸困難など危険な状況に陥る場合もあります。多数寄生では、貧血を起こす場合があります。 また、ノミは様々な病気の媒介をします。瓜実条虫(サナダムシ)という寄生虫や、猫引っ掻き病、ペストなどの人畜共通感染症も媒介します。
マダニってなぁに? どんな悪いことをするの?
小豆くらいの大きさにもなります。ヒトや動物の血液を吸って成長しています。多数寄生では貧血を起こす場合があります。マダニは危険な人畜共通感染症を多く伝播するため注意が必要です。(日本紅斑熱、ライム病、野兎病、バベシア病、等)マダニは草むらに生息していますので、犬猫に寄生しやすい寄生虫です。
ノミ・マダニの予防と駆除方法はどうやって行えばいいの?
★ノミが寄生している場合は、ノミとりシャンプー、スポット剤(当院でも扱っております)等を利用して駆除します。
★寝床は清潔にして、床やじゅうたんはこまめに掃除機などをかけて清潔にして下さい。
★ノミは、だいたい18℃以上になるとふ化するので、暖かくなってきたら月に1回程度、スポット剤で予防してあげましょう。
★マダニは、草むらや森林に生息するので、そのような場所に入らないことが良いのですが、難しい場合は、スポット剤等で予防してあげましょう。
★マダニが寄生してしまった場合は、なるべく動物病院に連れて来て下さい。マダニを素手で触らないように気をつけて下さい。また無理矢理引き離そうとすると、マダニの口の部分がひきちぎれて皮膚に残ってしまい、化膿してしまう場合があります。
クレッセ動物病院 院長 西山 寛