白内障について
白内障という病気。みなさんよく耳にすることが多いのではないでしょうか? 今月は白内障についてご紹介いたします!
白内障ってなあに?
白内障とは、目の水晶体というレンズの働きをする部分が白く濁る病気です。 水晶体は主として水分とタンパク質から構成されていて、無色・透明の状態が正常です。その水晶体が白く濁ると、網膜に到達する光が遮られ視力が低下します。この状態を放置すると最悪の場合視力を失うこともあります。症状として、物にぶつかったり、よろよろ歩く、暗がりを警戒するなどの症状がみられます。
原因は?
わんちゃんでみられる白内障の多くは加齢による老化性白内障です。少数ですが遺伝性の先天性白内障や、若齢性白内障もあります。また、糖尿病、内分泌疾患、目の外傷、網膜疾患などで二次的に白内障になる場合もあります。一方、ねこちゃんでは老化性白内障の発生はあまりありません。
治療法は?
白内障の進行状況に応じて点眼療法や外科手術があります。白内障が初期の場合は、白内障の進行を遅らせる点眼薬を使用します(効き目には個体差があります)。視野の回復のための根本的な治療としては、外科手術です。全身麻酔下で、濁った水晶体を摘出し、人工の眼内レンズを水晶体の部分に入れて視力を回復させる手術です。ただし、ある程度病気が進行してしまうと網膜の機能が低下し、手術を行っても視力が回復しないことがある為、手術適応の場合でもやはり早期の手術がベターです。この手術は、高度な技術と設備が整った経験豊富な眼科専門病院で行うことがとても大事です。
予防法は?
早期発見・早期治療が最も重要です。しかしワンちゃんは人間と違って、視覚が衰えても嗅覚・聴覚でほとんどの不便のない生活を送っており、実際は白内障になっても、気が付かれない飼い主様が多いようです。更に怖いのは白内障だけでなく緑内障を併発していたり、糖尿病等の全身の病態が悪化した結果、白内障になっているケースもあります。
どちらも7歳以上のシニア期のわんちゃんにはよく認められるケースです。 元気いっぱい!食欲旺盛!でもシニア期になられたわんちゃんには2ヵ月位の間隔でのご来院を当院ではお勧めしております。 わんちゃんの状態と飼い主様のご希望に応じて血液検査や眼圧測定検査・眼底のチェックといった検診や目薬のお話、眼科専門動物病院へのご紹介などもさせていただいております。どうぞお気軽にご相談下さい。
クレッセ動物病院 看護士 原田